大井川の堆積土砂排除を進めるための新たな取り組み
大井川堆積土砂排除5か年計画
【背景】
大井川は、出水時に上流崩壊地から大量の砂礫が生じ、土砂として河道を流下し堆積する河道特性を有しています。また、寸又川などの支川から多量の土砂が本川に供給されています。
昭和30年代~40年代は、建設事業の貴重な資材として年平均110万m3と大量の砂利採取が実施されていました。しかし、昭和49年の特定砂利採取制度の実施による採取量の規制や、平成12年の直轄区間における砂利採取の禁止などから、近年の砂利採取量は大井川全体で30万~50万m3/年程度で推移しています。
静岡県では、堆積土砂排除による洪水被害の防止と砂利の適正な利用を図るため、昭和63年度から「大井川堆積土砂排除対策協議会」(以下、「協議会」という。)において堆積土砂排除のための5か年計画を策定し、民間の砂利採取との連携により、治水安全度の向上を図っています。
令和6年2月13日に開催した協議会において、令和6年度から10年度までの5年間を対象として策定した「大井川堆積土砂排除5か年計画(第8次)」(以下、「5か年計画」という。)が承認されました。
河道掘削事業と砂利採取との連携した取組み
「5か年計画」の策定にあたり平均河床高の経年変化の結果をみると、下流部では計画河床より低く、上流部では計画河床より高い状況にあり、洪水対策のためにも上流部の堆積土砂排除を効率的に進めて行く必要があります。
また、土砂を運搬する大型車両の台数をできるだけ少なくし、河川沿いに暮らす人々の生活環境にも配慮した安全な事業を進めていくことも必要です。
こうしたことから、令和6年度から、「5か年計画」の枠外で、河道掘削事業と砂利採取とが連携した次のような新たな取組を始めることとしました。
【概要】
上流部(区分④)で河川管理者が河道掘削を行ない、堆積した土砂をそれより下流部(区分③以下)の河川区域内に仮置きする。
上流部(区分④)から下流部(区分③以下)の河川区域内に仮置きされた堆積土砂を、砂利採取業者が申請のうえ採取し骨材として活用する。
・上流部に堆積した土砂排除の進展
・土砂運搬大型車両の走行経路の棲み分けによる周辺環境への負荷低減
・大型車両運転者の労働改善 など
【令和6年度の河道掘削予定】
【本取組に対する問合せ先】
島田土木事務所 維持管理課 0547-37-5274