私は、用地課職員として主に藤枝市及び焼津市内の事業に必要な土地を県民の皆様から御提供していただく業務に携わっています。平成27年度、新規採用職員として島田土木事務所に配属され、今年で三年目を迎えました。
配属される前は、「用地課」と聞くと地権者のお宅に出向き土地の価格交渉をする、いわゆる用地交渉をする部署というイメージしかなかったので、配属先を知らされた時は、口下手な自分に務まるだろうかと不安になりました。
実際に働いてみると、買収させていただく土地や建物の補償金を決める算定業務、未相続地の法定相続人を特定し、交渉相手を決める相続人調査業務など、交渉に入るまでに多くのプロセスがあり、価格の交渉を行うのは最終段階であるということがわかりました。また、そのために必要とされる知識も民法から建築基準法、都市計画法、農地法と幅広いことを知りました。
はじめは、資料を読んでも理解できないことばかりで、ことあるごとに先輩方に質問をしていました。一つ一つ理解するまで丁寧に御指導くださった先輩方には感謝の気持ちでいっぱいです。ベテランの用地職員である先輩方に恵まれ、用地買収に必要な知識だけでなく、県職員として働く姿勢についても多くを学ばせていただきました。
初めて用地買収をしたのは藤枝市内の砂防工事の現場で、今でも強く印象に残っています。当時はの自分なりに必死に取り組んでいたものの、知識や注意が不足していたため、地権者の方には御迷惑をかけしてしまい反省が残りました。それでも工事が終了し、土石流から人家を守る砂防堰堤が完成した時は、自分が買収した場所に構造物ができたことに感動し、事務職員である自分にも「土木」の魅力を感じることができたような気がしました。
また、用地職員として未相続地の相続人調査をしていると、数世代にわたり土地や建物の相続がされていなかったり、相続人が都心に移住しているケースを担当することがあり、空き家問題や人口流出という静岡県が抱える問題を日々身近に感じています。
まだまだ未熟な私ですが、そのような場面に出くわすと、これからの職員人生の中で県民の方々にも、県外の方々にも少しでも魅力的な県だと思って貰えるように出来ることを模索し、“静岡県のために貢献していければ”とより強く思うようになりました。
そして、再び土木事務所に戻り、用地課の職員となって居住者の調査をした際に、「最近は移住者が増えたなぁ」と感じられるようになればいいなと思います。
採用 3年目(島田土木3年目) 主事 UR